幻夏 by.立佳
久々に本を一気読みしました。
いつもは電車の移動など時間のあいまあいまでゆっくり読んでいくのですが、今回は止められなくて朝の4時まで読んでしまいました。
その本は、太田愛さんの「幻夏」です。
太田愛さんは私の大好きな相棒の脚本家さんの一人です。
一昨年「犯罪者クリミナル」で小説家デビューし、「幻夏」はそのシリーズの続編として去年発売された小説です。
「犯罪者クリミナル」で捜査を供にした相馬・修司・鑓水が再び事件に巻き込まれるのですが、捜査をしていくうちに悲しい真実が明らかになっていきます。
私が「犯罪者クリミナル」にも「幻夏」にも共通して感じることは「贖罪から逃げることが最大の罪」ということです。
人間は誰もが罪を犯してしまいます。
法に裁かれるような大きな罪を犯してしまう日が来ないとも限りません。
悪気がなくてもちょっとした不注意で事故をおこしてしまうかもしれません。
法には触れなくても、人を深く傷つけてしまうかもしれません。
そんなとき、もしその真実と向き合わずに逃げたら・・・・
逃げたせいで新たな罪や、新たな被害者、新たな加害者が産まれるかもしれません。
自分がどれほどのことをしてしまったのか、贖罪の方法を与えてもらえたのであればそれを素直に受け止め、贖罪の方法を自分で探さなければいけないのであればそれが見つかるまで背いてはいけない。
「悪いことをしたら謝りなさい」
子供のころは当たり前だったことが、大人になって環境がかわり、守るものが増えれば増えるほど難しくなってしまうのかもしれません。
だからといって罪を隠したり、贖罪から逃げることは、自分にとっても相手にとっても新たな悲劇の引き金になってしまうと思います。
一人一人が贖罪から逃げたことで、傷つく必要のない人がたくさん出てきてしまう。
「幻夏」は、日ごろミステリーを読んだり、見たときに、常に私が感じてることを最悪の形として具現化してくれた作品だったと思います。
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